Bikers Hi

英語圏に料理ファンが居るので英語使わせてもらってます

ジャーマンチャネル  第2章 1 

ジャーマンチャネル最初から



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ナオミは予告通り爆音と共に現れた、今日はHarleyフォーティーエイトに乗っている。
初めて会った日の、トライアンフ、スラクストンのカフェレーサースタイルにも驚いて見入ってしまったが
アンテークブラックの革のライダースジャケットとフレアペイントのあるジェットヘルメット、レイバンのサングラスで、まるでバイク雑誌の巻頭に載っていそうな
ワイルドな雰囲気を纏っていた。
イメージの相違に新鮮な驚きがあった。
メットを取って、軽く髪をほどくように頭を振るとサングラスを形のいい鼻に滑らせて上目遣いに、ニコッと笑った。
白い歯が真紅のリップステックに映えて、お茶目な表情が可愛く美しい。

「よく来たね、まだ先日のお礼もしてないのに、わざわざ来てくれるなんて・・・」
「ちょっと、様子見も兼ねてね!ホセに頼まれた事もあって・・・それでね! 妹分もお世話になった事だし・・・」
ナオミは革ジャンのポケットから、KEYを取り出すと投げてよこした。
手に取ってみると、それはホセが貸してくれたあのロードキングのKEYだった。
「ホセからのメッセージは・・・キングをWEST HOLLYWOODのガレージまで移送したから取りに行けと・・・」

なんて気の回る段取りのいい連中か・・・
素晴らしい配慮に、うきうきと気分が高揚する。
「ほんと・・・何て言ったらいいのか、こんなに良くしてくれて俺みたいな知り合ったばかりの外国から来た男に・・・」
「何言ってんのよ、私もSamもエマ夫婦もジュディも、あなたとハートがシンクロするから出来る事よ、感覚でどこか解るのよ、それが楽しいじゃない?」
ナオミの言葉は心の底からうれしかった。
ここ数日、素晴らしい人達に恵まれた自分がどこか他人のような気がしていたが、見えない答えの後ろ姿を捕まえたような気がした。

「お部屋見せてくれる? このストリートはBeverlyhillsエリアだし安全でいいわね・・ダディもいい物件得ているわ」
「はいはい、ナオミエージェント様のセーフハウスで・・・・」
リモコンで地下ガレージのゲートを開けて、フォーティーエイトを移動し駐車した。
このエリアでもバイクの路上駐車には気を遣う。
ごく短時間で盗み取るPROが居るのも事実だ。
可能な限り安心できる状況を確保して憂いの無いようにしなければならない。
それがこの大都会LAの暗黙のルール。
オウンリスクを認識して万全に過ごすことが犯罪に遭遇しない方法。
日本ののんびり感覚とは緊張感が異なる。

狭いエレベーター内でナオミのパフュームが微かに香る。
メットで乱れた髪を片手で掻き上げるようにして視線を合わせた。
「ジュディがとても喜んでいたわ、楽しいランチだって言ってた・・・」
眼がほんの少し意地悪そうな光を帯びてる。
「あっ・・・ごめん、ナオミさんにお礼を先にとは思っていたんだ・・・そんなつもじゃなく・・・」
ナオミは笑いをこらえていたが、吹き出しながら言った。
「馬鹿ね!あなたを攻めてなんかいないわよ!私がジェラシーするとでも思ったの?」
「・・ああぁ〜そう・・じゃなくって・・ただお昼の時間だったし・・・」

スポーティーなボーイッシュな感じの中に、女性のふくよかな暖かさがあって、時として視線が深く私の胸の内を
読み取るようにじっと制止すると、ハスキーなささやき声で尋ねた。
「今、ステディなお相手居るの・・・?」
「・・・・えっ・・・いきなりのパーソナルクエスチョンだね・・・・」
「一緒に仕事する相手には聞くわ・・・・私なりの安全策と・・・・冒険よ・・・」

どう意味を理解したらいいのか、一瞬戸惑う。
誘いでもあり・・・彼女独自のトラップ・・・・?

まあ、どちらでもいいが・・・・
あいまいに微笑んで、手にしていた氷が溶けて薄くなったアイスラテを意味無くすすった。

エレベーターのドアが開いて・・・なんだかほっとした。
あの狭い空間でのナオミの思いがけない質問は、どぎまぎしてしまう。




つづく・・・・第2章 2 へ








ナオミじゃないよ・・・(max)



◆この先・・・このストーリーまったく考えてませんが・・・
 お付き合い頂きありがとうございます。
 2014年度も展開してみたいと思いますが・・・第2章どーーなることやら???


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