Bikers Hi

英語圏に料理ファンが居るので英語使わせてもらってます

ジャーマンチャネル 5

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ティファールの大き目のフライパンに、生のチリと刻んだにんにくを入れオリーブOILを入れた。
ここのキッチンンシステムは豪華でIH調理のパートとガスグリルが別にあったのでガスを利用した。
IHもすばらしいのだが、ガス器具で調理経験が多いと使い勝手がガスの方が楽でいい。
にんにくの香りが部屋に漂う。
「う〜〜〜んヤミ〜〜〜♪ 私、このガーリックフレーバー大好き!」
エマの所まで香りが溢れたのか、シガーの香りとニンニクの香りにエマは喜んでいる。
PASTAはIHの方でボイルしている。
細切りのチキンとベーコンを炒め、マッシュルームスライスを豊富に入れた。
全体を炒めて、PASTAソースが出来上がった。
ナオミは調理する私の脇から、小皿とステンレスのトングを両手に「シェフ・・味見していい?」
「ああいいよ、まだ塩気無いけどね」
ナオミは嬉しそうに小皿に少量の炒めあがったソースを取り、フォークですくって口へ。
口の横に付いたソースを舌でちょろっと舐めて、満面の笑み!

「ナオミ、PASTA皿3つ有るかい?」
振り向いてカウンター横を見るともう用意されていた。
ナオミはお茶目に笑っている、手には3人分のカトラリーを準備している。
よく気が付く女性だ。
PASTAが茹で上がったのでフライパンのソースと絡めてあおった。
ナオミはニコニコしながら手元を見つめている。

その時、軽やかなチャイムが鳴ってエマが立ち上がると玄関のフロアから白髪の紳士が降りてきた。
エマのハズバンドsamだった。
「おや!お客さんかい・・・・おおっナオミじゃないか!」
ナオミは走り寄って子供のように抱き付いて胸に顔を埋めている。
samは久しぶりに会った愛娘にメロメロの父親のように、ナオミの頭に頬ずりしていた。
「sam、今日はシェフが日本からきているのよ!」
「おおお〜〜どうりて旨そうな匂いが玄関からしてたぞ・・・」
片手でナオミの腰を抱きながら、キッチンまで歩いて来てちょうど盛り付け終わった私に大きな手を差し出した。
がっちりと力強い握手。
「よく来たなシェフ、おれの分も有るか?自己紹介は・・・食べてからがいいな!あはは〜〜〜」
「もちろんですよ!たった今出来上がったところだから是非食べてください!」
「あら、3人分しか無いわよ・・・」ナオミが少し困ったように言った。
「ああ・・・俺の分は気にしなくていいんだ、料理してると目で満腹感持ってしまって・・ビールが有るから」
そんなに空腹感も無く、私としては3人に是非食べてもらいたかった。

ナオミは3つのPASTA皿をかっこよく左手一本に乗せてダイニングテーブルに運んでみせた。
びっくりして見ていたら、「私、HOTELサービスのレクチャー受けて、しばらくビバリーヒルズのレストランでウエイトレスしてたの」
ナオミの意外な特技に感心した。
エマの隣にsam向かい合ってナオミが座った。
「さあどうぞ!”鶏ときのこベーコンのスパゲティ”」
3人同時にフォークに絡め食べ始めた。
頬が緩んで、目が笑っている、美味しそうな顔に変化した。
「こいつは〜〜〜〜すごい!こんなPASTAはLAのイタリアンレストランでも喰った事がないぞ!」
エマとナオミは目でうなづきながら、黙々ととフォークを動かしていた。
samは数口食べると椅子をけるようにいきなり立ち上がり、小走りに下の階のほうへ行ってしまった。
私がその後姿を唖然と見ていると、エマとナオミはくすくす笑っている。
「どうしたんですか〜〜^?」
「彼の・・・いつもの癖よ・・・・」エマが歌うように言った。

samがワインボトルとグラスを片手に4つ下げて足早に戻ってきた。
「これが有れば、更にうまいぞ!」
ワインオープナーを鮮やかに動かし、キャップを断ち切りスクリューをねじ込んだ。
手慣れた洗練された動き、コルクを外すと鼻にもってゆき香りを嗅ぎ、グラスに注いだ。
手早く4人の前に赤ワインが注がれた。
「我々の健康と輝かしい未来に!そして・・・ナオミといい男に!」
samは茶化して言うとワインを飲みほした。
旨そうにワインとPASTAを楽しんでいた。

私はビールは飲み干していたので、samが注ぐワインに切り替えていた。
カベルネソービニオンの重厚な味と香り、ふくよかで高貴、ナパのロバートモンダビ”オーパスワン”だった。
どうりて旨いわけだ。


An Introduction to Opus One Winery

samはリアルエステートの会社を経営していた。
がっちりした体格と立派な鼻、白髪が豊富で白い髭が良く似合い品が有る。
先祖はイタリア系の移民で、御爺さんの代から3代目で立派なファミリービジネスに成功している。
いくつもレンタルビルを所有し、郊外に数か所ショッピングモールを所有したオーナーだった。
先妻を若い時に亡くし、エマとは再婚であったが子供が無くナオミを実の娘のように可愛がっていた。

Samはナオミにいつも暖かい眼差しで語り掛ける。
「ナオミ・・・もし都合が合ったら、またツアー手伝ってくれないか?」
話をさえぎって、母親のようにエマは言った。
「ナオミはモデルの仕事とバイクショップ手伝っているんだから・・・駄目よ無理言っちゃ」
「スケジュールが合えば2〜3日だったらだけどOKですよ・・・ダディ〜^」
ナオミはsamの弱みを心得ている。
ダディの一言で、Samの顔がでれでれになる。
「ツアーって?何か旅行関係でもビジネスなさっているのですか?」
Samは意外そうな顔で言った。
「なんだ・・・ナオミとまだ付き合い浅いのかい?以前からナオミは俺の趣味でやっているダイビングSHOPのインストラクターさっ・・」
また意外性に驚いた。

Samはヨットやクルーザーも所有していて海で遊ぶのも趣味の一つ、ボート関連の友人の息子さんが経営するダイビングショップのスポンサーだった。
Santa Catalina Islandへのダイビングツアーにナオミはたびたび駆り出されていた。
ナオミは教え方が上手で人あたりがいいから、とても評判がいいそうだ。

ナオミは撮影で訪れた南の島で遊びで始めたダイビングに目覚め、数年後にはなんとインストラクターのライセンスまで取得していたのだ。
「わぉ!ナオミ・・・びっくりだよ!スポーティーなモデルさんとは思っていたんだけど、すごいね!」
「まあねっ・・・水中のモデルって意外とやる人が少ないので、結構オーファー有るのよね」

この親子のような3人と会話していると楽しい。
みんな結構いける口だ、PASTAとワインの取り合わせも良かったようで、samはまた階下に2本目のボトルを取りに行った。
「ダディは・・・奥さんよりワインに惚れてるのね!」
「まったく・・・・飲んでばかりいるわ・・あの人・・・まあでもいい趣味よ、下に専用のカーブまで作って・・・」
エマはシガーに火を付けた。
「彼はワイン、私はシガーね・・お互い好きなものは好きなのよ!でもあの人・・・タバコは止めたのよ」
ちょっと苦笑してエマは続けた。
「なんで止めれたと思う?・・・・彼の会社の美人スタッフたちに、社長・・社内は禁煙にしましょうって言われて・・それで・・
あの人らしいでしょ、まったくいい歳したBOYねっ・・・あはは〜〜」
エマは豪快に笑った。
素敵な御夫婦だ、お互いを尊重しつつ趣味も豊富で、人もうらやむリッチな生活。
しかし、何の気取りも無く今日知り合ったばかりの私をまるで娘の彼氏のような感じで接してくれる。
2人とも私やナオミを見る目が穏やかにゆったり優しくて、自分もこんな人生を目指してみたいと思うほどだ。

ちょっとワインカーブを覗きに行ってみた。
女性二人は何か昔話に華が咲いていた。
Samは私の足音に振り向くと、薄暗いカーブの奥へいざなった。
木製のラックに重厚なクラシック煉瓦の壁の意匠、整然と並ぶ様々なラベル。
個人宅のワインカーブとしてはとても洗練されて立派なものだった。
シャンパンは透明な大きな1枚ガラスで仕切られたコーナーに有り、そのまま人が入れるウォークイン冷蔵庫だ。
「素晴らしいコレクションにふさわしいカーブですね!」
Samは手にした1本を眺めながら、嬉しそうに鼻を擦った。
「こいつのワイン嗅覚が敏感でね!いいワインを嗅ぎ付けるのさっ!・・・
・・・・さっ・・お嬢様達がお待ちかねだ」


テーブルに戻ると早速鮮やかに抜栓し、新たなグラスに注いだ。
芳香が漂うが先ほどのオーパスワンとは違う。
「スタッグスリーブ・・・これもNAPAの宝さっ・・・」
旨い!
同じカベルネソービニオンでも微妙に異なるが、それぞれに個性的。
「俺のカーブは個性的な美女揃いだろ!・・・おまけに今日は2人も美女が一緒だし早めに帰って来て正解だな・・・」
「あらあら・・・めったにお褒めのお言葉頂けないのに、ナオミが居ると饒舌なおじさんなんだから・・・」
二人の掛け合いのようなやり取りを見て、ナオミがくすくす笑っている。



つづく









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OSとIEの相性の問題みたい? すんませんな〜〜。










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