Bikers Hi

英語圏に料理ファンが居るので英語使わせてもらってます

ジャーマンチャネル 17

ジャーマンチャネル最初から




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「とても素敵なランチでしたわ、すっかり御馳走になってしまって・・しかもお客様に・・・」
ジュデイは少しすまなそうな表情をして、ハンドルを切りながら呟いた。
「こちらこそ、物件の案内から契約関連までお世話になって・・・美人のツアーガイドさんの案内なら
このままディナーまでお願いしたいくらいだよ!」
「まあ!ツアーですかぁ〜〜〜〜〜!」
くすくす笑いながら、それでも嬉しそうに表情が輝いていた。

LAの主要幹線は車も多いが、この時間帯は快適に流れていた。
陽光が黒い磨き上げられたボンネットに反射して眩しい。
光の反射が運転しているジュディをレフ版のように照らし出して、高揚してにこやかなチークが
白桃のような細かい肌の粒子を光らせて輝いて見える。
若い生気が弾けるようで、少し羨ましい感情が湧いた。

やがて会社の敷地エリアに到着して、地階駐車場へのエントランスを滑るように下り、エレベーターホール前面に駐車した。
KEYはそのままにジュディは先に立って案内した。
レンジローバーは社用車なので、メンテナンススタッフがあとは全てやってくれて、楽ちんなんです」
「へっ〜^自前の車かと思ったよ・・・・」
「うふふっ・・私にはコンパクトな日本車の方が性に合ってますね」

地上階に戻り、オフィースの一部屋に案内されソファをすすめられた。
大き目なウッドディスクにPCモニターが2つ、機能的な黒いチェアがあった。
「コーヒーでいいですか?少し物件関連の書類にサインをお願いしたいのですが・・・」
「もちろん・・ちょうどコーヒーをお願いしたかったんだ、出来ればマグカップで頂けないかな?」
「はい、キャラメルマキアート、グランデですね〜〜〜!」
「おいおい、いつからスタバに・・・・あはは〜^」
ジュデイは冗談を言ってくれた、食事を共に過ごし友人のような親しみを感じてくれたようだ。
こういった女性の一言や変化がうれしい。
「お待ちくださいねお客様、すぐにお作りいたします・・・」
くすくす笑いながら部屋を出て行った。


ぼんやりと窓の外の手入れされたガーデンの緑を見ながら、ゆったりとした気持ちの中に流れる時間の速い流れを
少し不思議な気分で思い返していた。
ここに居る自分が、自分であって自分でないような・・・・
次々と薄く白いベールで閉ざされたステージの舞台が、次々と幕開けして新たな展開に心躍るような
そんなわくわく感を持ちながら、ストーリー展開が読めない自分も居て、ただ流れに身を任せて空間に漂う自分の分身が
ソファーに座りぼんやりしている男を見ている。
「お待たせいたしました、お客様・・・」
我に帰った・・・
会社のロゴが入ったマグカップに香り高いコーヒーがなみなみと入っていた。
コクのある味と芳香に、空間の思念がまた霧になって消えた。

ジュデイも同じマグカップで熱々のコーヒーを飲んでいた、ルージュのきりっとしたリップが白いマグカップに映えて
ビジネススーツをおしゃれにまとった若い女性が、ディスクのコーナーにお尻を乗せて書類を片手でめくっている。
見とれていると、書類から顔を上げて視線が合った。
「・・・あら?・・・なんですか〜^」微笑んで呟いた。
「あっ・・・ごめん!・・・素敵な絵に・・目が固まっちゃった・・」
「まあ!・・うふふっ・・お客様、こことここにサインお願いします」
目の前に書類を広げられた。
ペンを受け取って、内容を確認してサインした。
「ありがとうございます、これで手続きはすべて完了しました」
「こちらこそ、いい物件を紹介してもらってランチまで付き合ってくれて・・・」
その時、ジュデイの携帯が鳴った・・・
私が言いかけた言葉を飲んで見ていると、ジュデイは表示された通話先を確認して一瞬表情が華やいで、そのまま耳にあてた。
仕事関連にしては親しげな友人と話しているよう見えるのだが・・・
私の顔を見ながら微笑んで会話しているのが気になる。
一通り用件が済んだようで携帯をしまうのかと思ったが、ジュデイは通話状態のまま
おかしそうに差し出した。

えっ・・・?
真顔でわが身を指さして目で問いただした、ジュディの携帯に私の知り合いから連絡が有るとは
思ってもみなかったのだ。
少しおどおどしながら耳にあてた。
「Hello Mr Chef Road king・・・・」
ややハスキーでSEXYな声音・・・・・
「すみにおけないプレイボーイね〜〜〜、ランチに美人を誘ったんだって・・・私という女が居ながら
どうしてくれるのよ〜〜〜〜!」
いたずらを見つけた女神のように、おかしそうに笑っている・・・ナオミだった
「ジュディは私の配下のエージェントだから、次回からは許可をとるのよ!・・ダブルオーセブン」
どぎまぎして答えた・・・
「・・・あっ・・はい、レディMにはお見通しでしたね、監視衛星がそこらじゅうに有りそうだ・・・」
「罰として、ディナーね!・・ジュディからアドレスは聞いたから、明日の午後あなたのセーフハウスに行くわ
ちょうど用事も有るし」
「えっ・・・それは助かるな〜^少し家具とか探さないといけなし、手伝ってほしいと思っていたんだ。
お礼はいずれボスのお食事を・・まだ部屋が整わないので残念ながら腕は振るえないけど外食なら」
「OK、ディール! いずれ美女2人がワイン持参でシェフのお料理でパーティーなら許すわ・・・・」

うれしかった・・・
ジュディとナオミは姉妹のようにコンタクトしていたようだ。



つづく 第2章 1 へ











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