ジャーマンチャネル 14

ジャーマンチャネル最初から



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中はエントランス部分に太鼓橋の欄干が有り、下は川が流れ錦鯉が泳いでいた。
靴底に感じる深めの赤い絨毯がウェイティングバーの方向とメインダイニングに続いていた。
支配人兼オーナーの初老の男性がにこやかに現れ、日本語であいさつした。
彼とは顔なじみで、ここには接待で何回か利用させてもらっている。

ブロンドで可愛らしい笑顔のフロントの女性が、黒いパンタロンみたいなズボンに上着だけの着物のような装いで佇み
メニューホルダーを抱え支配人のテーブルへの案内指示を待っていた。

私は彼に、この店の裏手のコンドミニアムをレントしたことを話していたのだ。
支配人は、とても喜んでくれて、遠慮する私達をバーの方にいざなった。
御近所付き合いだからと、オンザハウスでドリンクを御馳走してくれるそうだ。
ありがたくいただく事にした。

ウェイティングバーはファンシーなレストランなら備えているところが多い。
たいていテーブル予約して行くようなレストランならバーを楽しむのは食事へのプレリュード。
やや早めに行って、バーで食前酒など数杯重ねてテーブルには余裕で案内され食事を楽しむ。
場が違う演出もレストランの楽しみ方だ。

ランチなので、食事だけ軽くと思っていたが、支配人が気を利かせてくれた。
ジュディは勤務時間が少し気になったようだが、出がけにsamから私をゆっくり案内観光でもさせてくれと
指示が出ていたらしい。何ともうれしい計らいで、samのお気に入りの若い美女社員に今回の契約同行も依頼したらしい。

バーのカウンタースツールに座った。
日系3世のバーテンダーさんだった。片言の日本語が親しみもてて和んだ。
喉が渇いたので、ハイネケンをオーダーした。
通常、友人とのバーベキューなどではバドワイザーかクワーズがほとんど、レストランではミケロブやハイネケンがややハレのビール。
「ジュディ・・飲めるんだろ、遠慮しないでオーダーして」
「はい、私・・・ストロベリーマルゲリータいいですか?」
バーテンダーがフローズンのストロベリーをバーMIXブレンダーで撹拌して、手際よくジュディの前にカクテルグラスを置いた
フロスティ―状に赤い液体になったイチゴの小さな種が見える、テキーラベースのマルゲリータにストロベリーが入ったものだ。
もともとメキシコ発祥のカクテル、マルゲリータ・・・亡くなった恋人を偲んで命名されたカクテル。
とても人気が有る。
乾杯した。
ジュディは微笑みながらマリゲリータを口にした、塩でデコレートしたグラスのフチからルージュの赤い唇に塩が少し付いた
ペコちゃんみたいに、ちろっと舌で舐めた仕草が可愛かった。
ジュデイは一仕事終えた安堵か表情がリラックスして、少しだけ饒舌になった。

samとは父親の友人関係で、彼女の実家は建築業らしい。
不動産の勉強も兼ねて、samの会社で修行中との事だ。
驚いた事に、ナオミとも仲が良いらしい。
姉のように慕っているようだ。
samのクルーザーでのパーティーで仲良くなったらしく、中でもスキューバはナオミから教わったらしく
ナオミのツアーでパラオまで一緒に行っていた。

「・・・不思議なんだ・・・ナオミと偶然バイク関連で知り合ってから、どんどん人生が拓いて行くようで、
素敵な知り合いが日々増えてゆくんだ、もちろん目の前の美女ともね・・・・」
「あら・・・お世辞でもうれしいですわ、でも・・・ナオミおねーさんに怒られますわよ」
「えっ・・・なんでだい?」
「あはは・・・内緒・・・・レディーストークの内容は明かせないですわ・・・」
ジュディは美味しそうにマルゲリータを味わっている。
私をお茶目に澄んだ瞳で見ながら目が笑っている、その眼はこの話題は追及しないでね、と言っていた。
なんて魅力的な間の取方・・・・
ジュディは若くしてレディの術を心得ていた。

フロントの女性が近づいてきてテーブルの用意が出来たことを告げてくれた。
飲みかけのドリンクを手に、彼女の後ろを歩き案内に従った。
太い梁と格子の仕切り、錦の幕のような装飾が施されたダイニング。
ジュデイは興味深そうに見ている。
いくつかのテーブルを越して、奥まったコーナに案内された。
そこは銀色に輝く厚い鉄板がはめ込まれたダインニングテーブルになっていた。
8人掛けくらいだが、先に初老のおしゃれな御夫婦が座っていた。
私とジュディに目が合うと気軽に会釈してくれた。
ニコニコと素敵なカップルだ。
奥様が気軽に声を掛けた。
「お嬢さんの御飲物、素敵な赤い色ね、カクテルのお名前教えてくださいませんか?」
「はい、ストロベリーマルゲリータです・・・」
「あら、いいわね〜〜」
ジュデイは飲みかけだが、ストローがデコレーションで付いているので、そのまま奥さんに差し出した。
「御味見、どうぞ〜^」
遠慮するそぶりどころか、パッと顔を輝かせて少し飲んだ。
嬉しそうに何度もうなずいている。
「ありがとう!私も同じものを注文するわ」
ジュデイのとっさの行動が一気に空気を和ませた。
もともとフレンドリーな御夫婦だが、自然な気使いが出来るジュディの仕草が可愛かった。
彼女は人を優しくさせるパワーを身に着けている。

白いコックコートにスカイブルーのコック帽、同色のスカーフを首にきりりとしたシェフが登場した。
英語でにこやかに我々に挨拶して、鉄板の下の点火装置をONにしたようだ、調理温度になるまで少し時間が掛かる。
「こんにちは、支配人から伺っています、少々お持ちくださいね」私にだけ日本語でそう言った。
30代くらいの日に焼けた日系の方かと思ったが、米国在住の日本の方だった。
ジュデイと私はロブスターとステーキのコンビネーションメニューを選んだ、エキストラでフライドライスも注文した。
同席の御夫婦も同じメニューを着物を着たハワイアン風のウエイトレスさんに注文した。
鉄板は木の重厚なテーブル内にはめ込まれているので益子焼の大皿は各自の目の前に置かれている。
シェフは目の前で調理して熱々の料理を大皿に盛り分け入れるのだ。


つづく







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