ジャーマンチャネル 13

ジャーマンチャネル最初から


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小さい間取りだがコンドミニアムを契約したので、LAのベースとなる部屋にKEYでロックした。
このドアは2つのKEYで施錠しないといけない。
LAは全米でも犯罪都市として認識されている。
このエリアはビバリーヒルズ市内の東の部分に当たる。
とても広大なLA市内の一部がビバリーヒルズ市となっている。
LA市の中にビバリーヒルズ市が有るのだ。
それぞれに独自の警察を保持している。
LAPDロスアンゼルスポリスデパートメント。
管轄権が異なるのだ。

ビバリーヒルズ市警は広大すぎる守備範囲のLAPDと異なり、警護エリア自体が小さいので迅速にパトカーが到着する。
先日も深夜の歩道で不審な若者が逮捕されていた。
手錠を後ろ手にサイドウォークにひざまずかされ、尋問を受けていた。
日本と異なり、手錠は必ず後ろ手にされる。
それだけ凶悪な犯罪者が多いということで、パトカーにショットガンの装備は当たり前、装弾数の多い強力な銃の
携帯は当然のようだ。

ショッピングセンターの客用エレベーターに現金輸送のセキュリティ要員2名と乗り合わせたことが有る。
現金のコンテナーを台車に乗せ乗り込んで来た。
目つきが鋭い大男の制服を着た威圧感のあるセキュリティー員。
びっくりしたのは、大型銃をホルスターから方手持ち抜き身で、引っさげたままだった。
マグナムと思われるシルバーの回転式拳銃だった。
いつでも撃てる体制で隙が無かった。

銃社会が当たり前の米国では、普通の家庭にも銃は有る。
悲しい話だが、銃による自殺者の話を聞いた、それも異なる友人からだ。
死への手段を銃に求めるケースがあまりにも多いらしい。

郊外の荒涼とした砂漠地帯を長距離ドライブしたことが有る。
行けども行けども景色の変化が無くただハイウェイが地平線に伸びているような道だ。
運転しながら、あの水平線に浮かぶ岡を越えれば町が出るだろう・・・・
そう思いながらただ突き進む。
やがて丘の上から先の展望が見え景色が開けるが・・・・・
そこはまた・・・・・ただ同じような砂漠でこれでもかと1本道が水平線に消えている。
そのようなエリアでは、たまにロードサイドに立つ標識やちょっとした木立は銃痕で穴だらけになっている。
ドライブに飽きた輩が暇つぶしでターゲットにしてぶっ放す痕跡なのだ。
走りながら接近する標識が標的、ライフルや拳銃で撃ち抜くのは射的感覚なのだろう。
日本では有り得ない・・・・

ジュデイが先になって回廊を歩き2Fの管理人の部屋へ向った。
ドアをノックするとふくよかで眼鏡をかけたおばあさんがドアを開けてくれた。
ジュデイが私が新しい入居者と紹介すると満面の笑みで中に入れてくれた。
古いが綺麗にカバーがかけられたソファが有りそこに座ると、白髪の長身の老人が現れた。
「ハロー、私が管理人のアントニオだ、よく来られた日本からだそうだな」
大きな鼻に彫りの深い皺、一見強面のイタリア系マフィア幹部のような大男だが、赤いアロハが白髪とマッチして
目がとても優しい。
アントニオ夫妻はsamのヨット仲間で、今はリタイヤしてこのビル管理やメンテナンスを任されている。
「いつ引っ越して住むんだい?何か解らんことあったらいつでもドアをノックしてくれ!、時々ワイフと海へ
行ってる時は・・・このカードのナンバーにコールだぞ!」
彼はマリーナデルレイにヨットを持っていて、愛妻と近海をクルーズするのが生きがいらしい。
若い時はマリーンで士官だったらしく、腕にブルーの錨をデザインしたTATOOが有った。
金色の産毛に誇らしげに光っていた。
この御夫婦とは気が合いそうで、Samがここをすすめた理由がなんとなく想像できた。
「ジュディ、samによろしく伝えておいてくれ、このナイスガイの住みかは俺等夫婦にまかせろとな・・・」
「はい、アントニオさん、いつもお世話になります。よろしくお願いしますね!」
アントニオは若いジュデイを父親のように慈愛に満ちた笑顔で満たして、軽くHUGして答えた。

一旦samの会社に戻ることにして、ガレージに降りた。
シートベルトを締めながらジュディに聞いてみた。
「ありがとう、おかげさまでいい部屋を契約できたよ。ところで・・・・・少しランチタイムを過ぎたが良かったら一緒に食事しないか?
お礼に御馳走したいのだが・・・・」
「あら・・お気を使わないでくださいね、これも仕事ですから・・・」
「・・・・あはは、実は腹が減ってね、男一人での食事より君みたいな若いレディと御一緒ならランチの味が上がるのさ」
「あらら、私は”MSG"みたいなものかしら・・?」       ■MSG=モノソディウム、グルタミン酸ナトリウム:うま味調味料
「ジュディは・・・・魅惑のスパイスさ!」
私を見つめニコッと笑った、なんて素敵なスマイルだ、ダークブラウンの瞳が光った。
「ちょうどこのストリートの裏に”BENIHANA OF TOKYO"が有るから行ってみないか?小一時間くらい、君もランチはまだだろ?」
「はい、いつもオフィースの近くですますので・・でもいいのですか?」
「もちろん!・・・これは・・・契約条項の番外項目さ!実は喉も乾いたので・・・」
ジュディは、おかしそうにくすくす笑いながらハンドルを切った、ものの5分も掛からずにレストランのパーキングに乗り入れた。
全米でもTVCMなどで有名なファンシーなレストランなのだ。
場所柄、映画俳優やスポーツ選手、有名政治家などに利用される。
外観はお城のような白壁に日本瓦の屋根。
米国人から見れば異国情緒溢れる、高級なステーキハウスなのだ。

エントランスで停車すると赤ジャケットのカーアテンダントがドアを開けた。
我々はそのまま降りて、車はアテンダントが移動させる。
重厚な大きな城門のような木製に黒い金具があしらわれたドアを開いた。
ジュディは微笑を浮かべ、目が興味深そうに輝いていた。
レディーファーストでジュデイを先に進めると・・・
「ワォッ!ファンタスティク!」小声で私を顧みて叫んだ。
子供のようにはしゃいだジュディ、少し父親のような気持ちになり、こちらまでわくわくする嬉しさが伝わった。



つづく






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