ジャーマンチャネル 12


ジャーマンチャネル最初から



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パームツリーが並ぶ明るい住宅街にレンジローバーが入った。
低速で町並みをゆっくり見せてくれた。
「綺麗なエリアですね、ここはビバリーヒルズの境界に近いですが東コーナーになります」
ジュディ―はサングラスを少し鼻に下げて上目遣いに左右の建物を見ながら説明した。
白いブラウスに胸のラインが綺麗で、やや日に焼けた肌から白い歯がこぼれる。
こんな魅力的な若い社員を抱えるsamがうらやましく思った。

やがて大きな地下へ続くスロープの前で停車した。
「車の中でお持ち願いますか・・・管理の方にお会いしてパーキングのリモコンと部屋のKEYを持ってきますので」
ジュディはそう言いながら、車から降り後部座席から脱いだジャケットを取り出し、さっと羽織った。
一連の動作が、このビバリーヒルズの住宅街の風景バックで一つの絵のように流れて、LAの陽光をまとうようで
素敵だった。
カメラを持ってくればよかったと、少し悔やんだ。

このビルは地下が巨大な駐車場で
4階建てのコンドミニアムのようだ。
通りに面した側にテラスが連なり、薄いベージュ系の外壁と庇がこげ茶でそれが、パームツリーの緑とサイドウォークの
大きなリュウゼツランやその周りの観葉植物のグリーンと相まって、落ち着いたセンスのいい外観を形成していた。
建物自体は古いのだがしっかりとメンテナンスされていて、居並ぶこのストリートのビル全体が町並みのおしゃれ感を
壊すことなく調和して形成されていた。
歴史は感じるがモダンな洗練されたコンドミニアム群メインの通りのようだ。
すぐ側には主要なブルバード、ウィルシャーとレストランローと呼ばれる高級レストランが多い大通りも歩いて出られる距離だ。

ジュディは手にしたリモコンを掲げてみせた。
運転席に戻ると作動させて地下駐車場へのスロープのゲートを開けた。
そのままレンジローバーを乗り入れ、奥まった駐車区画に停車した。
「ここと、隣が今回の物件の駐車区画で指定されます」
車社会なので駐車場は当たり前のように賃貸料に含まれる。
どこかの国のように、狭い区画を高い料金で割り当てたりしない。
車から降りて、見まわすと軽く40台は駐車できるスペースの地階駐車場だった。
スパンが広くビルを支える柱も間隔が有るので、視界を遮らない。
視認性をよく考えられていて車の出し入れは楽そうだ。

奥の中央部にエレベーターが有り、両脇のコーナーには階段が設置してあるようだが
ドアで区切られていた。
エレベーターは6人乗りくらいの小さいものだが、綺麗に整備されていて床にはいい素材の
カーペットが敷いてあり靴底の感触がいい。
ジュディは3Fのボタンを押して案内した。

エレベーターを出ると、そこはコの字型の回廊になっていて各部屋のエントランスが見える
見下ろすと小さいパテオ部分にプールが青い水を満々と光らせていた。
ショートパンツにタンクトップ、サングラスをした女性がデッキチェアで雑誌を読んでいた。
5歳くらいの女の子が浮き輪にぷかぷかと遊んでいる。
のどかな風景に午後の陽光が戯れていた。

ジュディは回廊の一番奥まったコーナーに案内した。
手にしたKEYでドアを開けた。
そこはファニッシュ、家具付きの部屋だった。
12畳ほどの部屋に6畳くらいのキッチンが付いていた、日本で言う1ROOM+キッチンといった感じだ。
トイレとスライドガラスのドアのあるシャワールーム、バスタブは無い。
セミダブルくらいのソファベットはリビングのコーナーに、大きな冷蔵庫とシンプルだが丸いテーブルとイスが2脚キッチンにあった。
ランプシェードとキッチンの照明は有るので初期の生活には問題は無い。
日本と違い、間接照明が多いのがほとんどだ。
個人的には間接照明の淡い光が、夜には落ち着いて好きだ。
内装は毛足の長めのラグがリビングに敷かれ、キッチンはリノリウムタイプのフロアだ。
窓はパテオに面した部分とビル外壁に当たる部分に大きくある。
キッチンも構造的にこの部屋はコーナーなのでシンク前面にやや小さめの窓が有る。
残念ながらこのキッチンの窓は隣のビルの背部の配管や空調機器の展望しか得られなかった。
備え付けのベージュのカーテンが有り、薄茶色のブラインドが備え付けられていた。

ジュディは壁のコーナーに設置されたエアコンのスイッチを作動させていた。
ガスのヒーターも備え付けられてあった。
キッチンに行って蛇口をひねってみた、白い気泡を含んだ水が勢いよく出た。
LAの水はカルシウム系の白濁が有って、水道水でも旨く飲める日本の水と比べると残念な水質だ。
シンクの排水口にはディスポーザーが装備されていた。
生ごみはそのまま流して、スイッチONで粉砕される。

「samからレントの条件が提示されています、この条件はGOODディールですね!」
ジュディは契約書類と金額が書かれたメモを手にしてキッチンのテーブルに置いた。
「何か御飲物でも用意して来れば良かったですね・・・」
「ああ、大丈夫ですお気使い無く・・・お部屋見せてもらって気に入りました」
自分で想像していたよりも、好条件の物件だった。

書類に目を通してジャケットのペンを取り出そうとしたが無かった。
ジュデイは、素敵な重厚感のあるペンを差し出しながら、にこにこしている。
「ジュディありがとう!」
私はそう言いながら書類の数ページの欄にサインした。
デポジットはチェックをきりますから、それでいいですか?」
「はい、構わないですよ。うれしいですわ、お気に召していただいて」
「このロケーションでこの価格ならとても満足ですよ、事務所的な使用になると思うな、それとベットルームですね」
ジュディは書類をファイルに納め、黒く薄いバックにしまった。
「一応、管理人の御夫婦に紹介しますわ、とても親切な面倒見のいい方なんです」

カーテンを閉め、回廊に出てドアにロックしようとして、ジュディは私を振り向いてKEYを渡した。
「はい!NEWマスターのお仕事ね・・・」
ちょっとした仕事を終えてほっとしたのか、笑顔が素で可愛かった。
ジュデイならお礼にディナーでも誘いたくなった。




つづく





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