ジャーマンチャネル 9

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ホセのファクトリーの前に駐車すると、ロードキングのマフラー音を聞きつけて大きなスライドドアの隙間から
出てきてくれた。
「ヘイ!ロードキングマン、ナオミの洗礼を受けたんだって?」
笑いながら、髭ずらを撫でて嬉しそうに言った。
「ホセ、キングは最高だったよ!おたくのお嬢さんのガイドは・・・・Incredible!」
「はっはは〜〜エマと会ったんだね・・・あの夫婦は最高さ!」
「成り行きでPASTAまで作る羽目に・・・・」
「おおおっ!聞いた聞いた!おまえさん、俺にも作ってくれよな〜〜〜、出来たらミケロブに合うPASTAがいいな」
ホセは大食漢だ、舌舐めずりしながらむしろ強制的な威圧命令調で言う。
「はい、セニョールホセ、どうせならガーデンパーティでも・・・まとめて皆さんにサーブした方が楽かな?」
「おおおおお〜〜〜そりゃーーいいアイデアだ、あんたが日本に帰国する前にセットしてみるよ」
ホセはすぐにパーティの思案を考えているようだ。
私は、samとの成り行きでまだ半分だがLAに腰を据えて仕事しようと構想が有って、偶然にもsamの提案でベースができそうだった。
ホセに今後の予定と、しばらくこちらに居る計画を伝えた。
ホセはもろ手を上げて喜んでくれた。
「おおお〜^!まかせておけよ、お前さんが居る間はバイク・車の心配はするなよ。まあ、ただとは言わんがメンテ費用分くらいで
面倒見るぜ、どうだ、いい提案だろ」
「すごいBIGディールだよ!精々ホセさんの要求に答えられるようにするさっ・・・!」
「OK!セニョール、交渉成立だ!」
ホセは大きなエンジンOILだらけの手を差し伸べたが、私はためらわずがっちし握手した。
お互いに握力を感じるような熱い男の絆、ハートの鼓動がシンクロした気がした。

「ヘイボーイズ! 何をうれしそうにシェイクハンド?」
スライドドアからナオミが顔を半分出して言った。
昨日の礼を言おうとドアの中に入ろうとしたらナオミが出てきた。
そこにはバイクファクトリ―のガレージに似つかわしくない姿のナオミが居た。
黒のハイヒールに細身のテーラードスーツ、大き目のカラーの白いブラウス、少しアップ気味にヘヤーを変えて
まるでCBSの番組に出て政治解説する、ホワイトハウス報道官のようないでたち・・・・
昨日のカフェレーサー60ty'sの姿からは想像出来ない変わりようだった。
いくらモデルが本業とはいえ、衣裳でこれほども変わるのか。
「なにを・・・ポカーンと見とれてるの?さては・・・私の魅力で眠れなかったのねっ・・・あはは〜〜」
「はいはい、そうですとも、あまりのツアーガイドの見事さに舌を巻き、御衣裳のマッチングに目を奪われた、迷える子羊ですよ〜〜〜」
「あらあら・・・私・・・ローストラム好きなのよ!食べちゃうわよ〜〜あははは」
「こんな…身でよろしければ、いつにてもナオミお嬢様に捧げますよ〜〜〜!」
「まっ・・・・もう少し、フィーディングしてからエージングね!食べるのはその後でも、美味しいわっ・・あはは」

お互いに冗談を言い合いながら奥の事務所へ向かった。
まだ昨日の続きが待ち受けているようなワクワク感・・・
ナオミのこの空気感、存在感は私をリラックスさせつつも、どこか冒険に誘うような昂揚感をじわじわと刺激する。
大人の女性の中に、お茶目な可愛らしさが有って悪戯な天使がこちょこちょと笑顔で飛び回りくすぐっている。

人の魅力とは何なんだろう?
磁力のような目に見えないパワー?
何か磁極が有って、プラスとマイナスが引き合うような・・こちらにも迎え入れる何かの要素が無ければ
それが魅力では無くなるはずだ、魅力として感じないはずだ。
私にはナオミにおおいに魅かれる大きな磁極が埋まっている。




つづく






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OSとIEの相性の問題みたい? すんませんな〜〜。